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光通信機器や光コネクタに使われるレンズ

2022.11.07

光ファイバーとレーザー光を使って情報を送受信する光通信機器は、普段目にすることが少ないですが情報化社会を支える製品であり、現代の生活に欠かすことのできない重要なものです。このページでは、光通信機器に使われるキーパーツである光学レンズや、光通信機器を接続するためのキーモジュールである光コネクタについてご紹介しています。

光通信に使われるレンズの役割

光通信に利用されるレンズとは

光通信の分野には、光トランシーバ、光スイッチ、TAPモジュール、WDMモジュール、光コネクタ等、多様な機器・モジュールがあり、こられの製品にレンズが使用されています。
レンズの果たす役割は、主に通信光のコリメート(平行光化)や集光です。光ファイバー等から出た光は、そのままでは拡散してしまいますが、レンズを使いコリメートや集光することで、光ファイバーから離れた位置に通信光を到達させたり、光ファイバーから出た光を狭い範囲に集中させたりすることができます。離れた位置に通信光を到達させる場合には、途中にフィルム等の光学素子を配置することもできるため、機器にあらたな機能を持たせることができます。集光の場合、通信光を集光させることで、PD(Photo Diode)や半導体の光導波路等のような極狭い範囲に効率的に光を入射させることができます。
以上のように、光通信機器では、レンズを用いることにより通信効率を向上させたり、レンズが無くてはできない機能の実現がなされています。

光コネクタで使われるレンズ

光コネクタの種類

光ファイバー同士や光ファイバーと通信機器の接続は、光コネクタにより実現されます。光コネクタは大きく単芯タイプと多芯タイプに分けられ、単芯のものにはSCコネクタやFCコネクタ、LCコネクタ等があり、多芯のものにはMPO(Multi-Fiber Push On)コネクタやMTコネクタ等があります。これらのコネクタはそれぞれ形状が異なっており、用途に応じて最適なものが選択されます。
いずれの光コネクタも、コネクタ同士の結合や、コネクタと光通信機器との結合はフィジカルコンタクト(PC)方式という接触型の接続方法が多く用いられています。PC方式は下図のように光ファイバー同士を対向して密着させるという構成をしています。接着剤等を用いず、機械的に密着させるというシンプルな構造ですが、部品の精度がそのまま性能に影響してしまうため、部品製造や組み立てには高い技術が必要です。

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エキスパンドビーム(EB)方式の光コネクタ

PC方式の光コネクタにはいくつかの課題があります。1つは汚れ、異物等への耐性です。光ファイバーを通る通信光の直径は10μm以下と極めて細いため、小さなホコリ等が付いてしまうだけでも光が遮られてしまい、通信エラーを起こす原因となります。もう1つは光ファイバー先端のキズや破損です。光ファイバー同士を物理的に接触させるため、無理な力がかかった場合に先端部が傷ついたり破損してしまう可能性があります。課題の最後はコネクタ結合に強い力が必要なことです。通信光を正しく送信・受信するために光ファイバー同士を強く押し当てる必要があるため、コネクタ結合には強い力が必要です。結合の際、光ファイバーの数が増えるほど強い力が必要になるため、この課題は多芯タイプのコネクタほどより顕著になります。また、その際、個々のコネクタにかかる力を均等に分散させる必要もあります。
このような課題を解決するために考案されたのが、非接触方式の光コネクタです。非接触方式は拡大ビーム方式、エキスパンドビーム方式(以下EB方式)等と呼ばれます。EB方式のコネクタではPC方式と異なり、光ファイバー同士を密着させておらず、間に隙間が空いています。また、隙間が空いた状態でも光が発散せずに効率良く通信できるように光ファイバーの先にレンズが配置されています。
EB方式の光コネクタにも複数の方式がありますが、レンズの果たす役割はいずれの方式でも大きく2つに分けられます。1つは通信光を拡大すること、もう1つは通信光を平行光化し、離れた位置まで到達させることです。

SELFOC®レンズを用いた光コネクタ

EB方式の光コネクタ向けレンズの1つに、当社のSELFOC®レンズがあります。SELFOC®レンズを下図のように光ファイバーの先端に配置することで、光ファイバーから出た光を拡大・コリメートすることができます。
直径が光ファイバーと同じ、極小サイズのφ125μmというSELFOC®レンズを用いることで、光ファイバーとの簡便な接合や、光コネクタの小型化というメリットも期待されます。
SELFOC®レンズのその他の特長としては、低NA~高NAの複数のNAラインアップ、通常の光ファイバーとは異なりクラッド部分が無いため、屈折率分布の有効域が広いというものがあります。

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社会や技術の発展に伴い、光通信が伝える情報量は今後、爆発的に増大すると言われており、より一層の機器の効率化や小型化が求められています。それらの要望に応えられるSELFOC®レンズの技術は多くの光通信機器関連メーカーから注目されています。

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